blog.osa.in.net

自動化の効用

2021-10-18

1,607文字

自動化にはどういう種類があってどういうメリットが得られるのか、少なくとも自分はどういう点を主に意識しているのかを書いておこうと思う。

自動化の種類

自動化を考えるとき、2種類に分けて考えると便利だと思っている。

部分的自動化

入力から最終的な出力を生成するプロセスの一部を自動化するやつ。 大変なところだけ自動化したり、手をつけやすいところから自動化したり。

99%自動化しても、手作業が1%残っていれば部分的自動化。

全自動化

文字通り、入力から最終的な出力を生成するまでのプロセスを完全に自動化した状態。 言い換えれば、入力から出力まで、人間の手が一切不要になっている状態。 人間は寝ていても良い。

現実的な話としては、稀に例外処理が発生するくらいならこっちに入れてしまっても良いと思う。ただし、その場合も例外検出自体は自動化されている必要がある。

自動化のメリット

自動化によって得られる主なメリットを上記2種類の自動化を使って整理してみる。

作業時間が減る

自動化すると、それまで10分かかっていた作業が10秒になったり、1時間かかっていた作業が0秒になったりする。

たぶん自動化の一番わかりやすいメリットじゃないだろうか。 費用対効果も時給換算などで計算しやすい。

これは部分的自動化でも充分にメリットを得られることが多い。

ヒューマンエラーがなくなる

人間は間違える。

自動化の仕組みも人間がつくる以上、間違いが含まれることは避けられないが、再現可能な方法で仕組みを改善していくことができる。

部分的自動化でも部分的にこのメリットを得られる。 手作業が残っているとそこでヒューマンエラーが発生する可能性はあるが、間違いやすい手順を優先的に自動化するなどの方針を採ることができる。

改善サイクルを高速に回せる

作業時間短縮の結果として、同じ作業を高頻度に実行できるようになる。

ダッシュボードの更新なんかが典型例で、手作業だと週に1回しか更新できなかったものが自動化によって毎日・毎時・リアルタイムなど、より高頻度の更新が可能になる。 ダッシュボードの更新が高頻度になるということは、フィードバックを得て改善するというサイクルを高速に回せるようになるということで、これは単なる作業時間の短縮以上の効果がある。

日次くらいまでの頻度であれば部分的自動化でも頑張れるが、それ以上となると全自動化していないと厳しくなってくる。

考えることが減る

自動化されるということは、その作業について考える必要がなくなる。

脳のリソースは限られているので、考えることは極力減らして本当に重要なことに集中したい。 作業の手順や次の実行タイミングといった些末なことを脳から追い出せるなら、それは素晴らしいことだと思う。

部分的自動化でも手順の詳細などの一部を忘れることはできるが、脳からキレイに追い出すためには全自動化が必要。

おわりに

上記の4つのメリットは上にあるものほど部分的な自動化でも効果が出やすいし、その効果もわかりやすいと思っている。一方、実は下の方にあるものほど自動化の真価みたいなものが発揮されているのではないかと思っている。

そういった点からも、基本的には部分的自動化より全自動化が良い。ただ、全自動化にはそれなりの労力がかかるし、全自動化が難しい作業もある。

「自動化しよう」という話をしているときに、主な目的は何なのかを考えると、どの段階まで自動化すべきなのかという判断に使える。

初めから全自動化が必要な場合もあるだろうし、部分的自動化から始めて全自動化に進むという方針が良いこともある。もちろん、部分的自動化にとどめておくという判断もある。

最後に一言。

自動化は良いものだ。たぶん最高に良いものだ。良いものは決してなくならない。